箱庭療法入門 河合隼雄 感想

河合隼雄を知りはじめた時から箱庭療法の人ということは知っていたが、その時は全く興味がなかった。
まさか一年後読んでいるとは驚きだ。
てか、当事者としてやってるほうが驚きか笑



箱庭療法とは砂場に玩具を置く心理療法で、この本はそれの理論と事例を載せている。

事例は9個載っていて、1~8は子供で、9が大人。
子どもの箱庭は爆発力がすごい、対して大人のはまだとらえやすいと思った。



事例9はクライエント(患者)が32歳男性で統合失調症寛解期。
今になって素人判断ながらおれは軽度の統合失調症だったと思う。そして今が寛解期だとして、年齢は31歳なのでけっこうおれとそっくり笑
しかもセラピストは三木アヤという女性でおれの担当心理士も女性だ。

男性心理士の事例が多い中、事例9の三木アヤは報告はすごい女性的だった。
報告文が他の例と微妙に視点が違っていて、1~8の場合、クライエントと話し箱庭を共に鑑賞し、
そのときに感じ、分析したことを執筆時にも書いているといった感じ。

つまり、カウンセリング本番と執筆時の自分がほとんど一緒。



それに比べて、三木アヤの場合、
報告文序文において、他の報告文にはない、クライエントをC、セラピストをTとして表記する。
ということを設定してから語り始める。

例えば、「TがCの箱庭を見てまだ油断できない状態だと改めて再認識し少し不安を覚えた。」みたいな感じで
カウンセリング本番の自分の感じたことへの客観度が高いと思った。



転じて思うのは、カウンセリング本番における、主観の度合いが高いとも言えると思う。
箱庭療法はその最中は一般的な見地からの分析というより、一個人、一人間としての向き合う姿勢が大事であり、
だからこそ、執筆時には明らかにカウンセリング本番の自分と切り離して客観度を上げる文体になったのではないかと思う。







箱庭療法入門を読んでいる途中に箱庭療法を実際にしてみた。
実際に体験してからはぜんぜんちがうように箱庭の写真が見えるように思った。

近日に届く河合隼雄の特集の雑誌が楽しみと不安だ。しょうもない記事ばっか載ってて嫌な気分になったらどうしようとけっこう思ってしまう。
河合隼雄を汚されたくない感じ。

箱庭療法入門はまだ三巻続くのだが、一旦ここで読むのをやめようと思う。